「iDeCo(イデコ)」と「つみたてNISA」、どちらも国が推奨する“税制優遇つきの資産形成制度”です。
しかし、どちらを優先すべきか、あるいは併用するとどうなるのか――初心者にはわかりづらいですよね。
この記事では、iDeCoとつみたてNISAを併用する際の最適バランス・優先順位・具体的な組み合わせ例を、図解を交えてわかりやすく解説します。
✅ この記事でわかること
- iDeCoとつみたてNISAの違いと特徴
- 初心者におすすめの併用バランス
- 年代別・目的別の活用モデル例
- 無理なく続けるための実践ステップ
- まだ投資を始めたばかりの方は、まず「投資の基本」を押さえておくとスムーズです。
👉 初心者が投資を始める前に知っておくべき5つのこと もあわせてチェックしてみてください。
iDeCoとつみたてNISAの違いをまず整理しよう
| 項目 | iDeCo(個人型確定拠出年金) | つみたてNISA |
|---|---|---|
| 主な目的 | 老後資金づくり | 中長期の資産形成 |
| 積立金の出し入れ | 60歳まで引き出し不可 | いつでも引き出し可能 |
| 税制優遇 | 掛金が全額所得控除・運用益も非課税 | 運用益が非課税 |
| 年間上限額 | 14.4万円〜81.6万円(職業により異なる) | 年間40万円 |
| 向いている人 | 節税しながら老後資金を作りたい人 | 柔軟に運用したい人 |
💡ポイント
iDeCoは「老後資金+節税目的」
つみたてNISAは「中期〜長期の自由な資産形成」向けです。
「どのくらい節税できるのか?」をさらに詳しく知りたい方は、
👉 iDeCo活用術:掛金の増額と運用商品見直しのタイミング も参考にしてください。
初心者はどちらを優先すべき?

結論から言うと、つみたてNISAを優先 → 余裕が出たらiDeCoを追加がおすすめです。
理由①:流動性(お金の自由度)
iDeCoは60歳まで引き出せないため、「急な出費」に対応できません。
一方、つみたてNISAならいつでも引き出せるため、ライフステージが変化しやすい20〜40代に向いています。
理由②:始めやすさ
つみたてNISAは、口座開設〜積立設定が簡単で、運用商品もわかりやすい。
まずは非課税での長期運用に慣れることから始めましょう。
理由③:税制優遇の「恩恵を最大化」
iDeCoは所得税・住民税の節税効果が大きいですが、
所得が低い時期には恩恵が小さいため、一定の収入を得てから始めるのが効率的です。
「どっちを先に始めたほうがいいの?」と悩む方は、
👉 つみたてNISAとiDeCoどっちが先? の記事で優先順位を確認しておきましょう。
併用するときの“最適バランス”は?
| 収入・状況 | おすすめバランス | コメント |
|---|---|---|
| 会社員・20〜30代 | つみたてNISA 70%+iDeCo 30% | 柔軟性を優先しつつ節税も少しずつ活用 |
| 会社員・40〜50代 | つみたてNISA 50%+iDeCo 50% | 老後を意識して節税効果を強化 |
| 自営業・フリーランス | つみたてNISA 40%+iDeCo 60% | iDeCoの掛金上限が高く、節税効果が大きい |
| 専業主婦・主夫 | つみたてNISA 100% | 所得控除の恩恵が少ないため、NISAを優先 |
💡目安の考え方
- 「お金の使いやすさ」=つみたてNISA
- 「老後の安心」=iDeCo
併用する際は、自分に合った積立額を試算してみるのがおすすめです。
👉 つみたてNISAの積立額シミュレーション で将来の資産イメージを確認してみましょう。
年代別の併用モデル例
【20代〜30代】「まずは資産形成に慣れる時期」
- つみたてNISA:月25,000円
- iDeCo:月5,000円
- 合計:月30,000円
→ 無理のない範囲で、非課税運用を最大限活用。
【40代】「節税+老後資金のダブル効果」
- つみたてNISA:月15,000円
- iDeCo:月15,000円
→ 所得税・住民税を節約しつつ、将来への積立も強化。
【50代以降】「受け取りを見据えたリスク調整」
- つみたてNISA:月10,000円
- iDeCo:月20,000円(債券中心)
→ 安定重視にシフトしつつ、非課税枠を使い切る戦略。
実践ステップ:併用を始める流れ
- 証券会社を1つに統一(例:SBI証券や楽天証券)
→ 両制度の管理がしやすく、手数料も割安。 - つみたてNISAの設定からスタート
→ 投資信託を選び、毎月の自動積立を設定。 - 1〜3か月後、iDeCoに登録
→ 会社員なら勤務先に書類提出が必要。 - 年1回はリバランスチェック
→ 「老後」と「中期目標」のバランスを見直しましょう。
つみたてNISA・iDeCoを“継続”するコツ
- 目的を明確に:「老後の安心」「旅行資金」などを可視化
- 運用を見える化:資産管理アプリ(例:マネーフォワードME)で一元管理
- 情報に振り回されない:短期の値動きより、長期成長を信じる
併用の注意点
| 注意点 | 解説 |
|---|---|
| iDeCoは60歳まで引き出せない | ライフイベント前の積立額には注意 |
| どちらも「元本保証ではない」 | 投資信託は値動きがある |
| 管理が面倒にならないように | 証券会社をまとめるのがおすすめ |
積立設定の見直しを考えている方は、
👉 つみたてNISAの途中変更ガイド で変更手順と注意点をチェックしておきましょう。
まとめ:長期視点で「両輪運用」を目指そう

- つみたてNISA → 自由に使える将来資金
- iDeCo → 節税を活かした老後資金
この2つをバランスよく組み合わせることで、
「今」と「将来」両方に安心をもたらす資産設計ができます。
投資を続けていく中で「やめたくなる瞬間」が訪れることもあります。
👉 積立投資をやめたくなったときの正しい対処法 を読んで、焦らず続けるための考え方を学びましょう。
💡 一歩ずつ続けることが最大の成功法
完璧なバランスを求めすぎず、「できる範囲から始める」がポイントです。

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