資産形成を始めようと思ったとき、多くの人が直面する疑問が「つみたてNISAとiDeCo、どちらを先に始めるべきか?」という問題です。両方とも税制優遇のある制度ですが、特徴や制約が異なるため、優先順位を間違えると「使い勝手が悪い」「お金が引き出せない」といった後悔につながることもあります。
この記事では、初心者でも迷わず判断できるように、それぞれの特徴、メリット・デメリット、そして実際にどちらを先に始めるべきかを徹底的に解説していきます。
つみたてNISAとは?
つみたてNISAは、少額からの長期・積立・分散投資を後押しするために設けられた制度です。
主な特徴は以下の通りです。
- 非課税期間:最大20年間(2024年以降は恒久化)
- 年間投資枠:最大120万円(つみたてNISAでは最大40万円→新制度で拡大)
- 対象商品:金融庁が指定する低コストの投資信託・ETF
- 流動性:途中で売却して現金化できる
初心者にとって大きなメリットは、「いつでも売却できる柔軟性」と「シンプルな制度設計」です。急な出費があっても資金を引き出せる点が安心材料となります。
iDeCoとは?
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、自分で老後資金を積み立てていくための制度です。
特徴は次の通りです。
- 掛金の所得控除:毎年の掛金全額が所得控除され、節税効果が大きい
- 運用益も非課税
- 受け取り時にも控除あり(退職所得控除・公的年金等控除)
- 引き出し制限:原則60歳まで引き出せない
最大の魅力は「節税効果の高さ」です。年収が高い人ほど恩恵が大きく、実質的に「国からの補助を受けながら投資できる」ような仕組みです。ただし、資金が拘束されるため、流動性はゼロに近いのが注意点です。
つみたてNISAとiDeCoの比較表
項目 | つみたてNISA | iDeCo |
---|---|---|
非課税期間 | 無期限(2024年新制度より) | 60歳まで運用益非課税 |
年間投資枠 | 最大120万円 | 職業・年収により14.4万~81.6万円 |
流動性 | いつでも売却可能 | 60歳まで引き出し不可 |
節税効果 | 運用益が非課税 | 掛金が全額所得控除+運用益非課税 |
向いている人 | 投資初心者、資金を動かす可能性がある人 | 安定収入があり節税メリットを活かしたい人 |
初心者がまず始めるべきは「つみたてNISA」
多くの初心者にとって、優先すべきはつみたてNISAです。
理由は以下の通りです。
- 途中でお金を使える柔軟性
結婚、出産、住宅購入など、ライフイベントでお金が必要になる可能性があります。iDeCoでは引き出せませんが、つみたてNISAなら必要に応じて売却可能です。 - 商品がシンプルで選びやすい
金融庁が認めた投資信託だけなので、初心者でも「低コストで安心できるファンド」から選べます。 - 生活防衛資金を確保しながら投資できる
万一の出費に備えた貯金を確保した上で、余剰資金をつみたてNISAに回すのが合理的です。
つみたてNISAを始めるには証券口座が必要です。特に楽天証券とSBI証券は人気が高く、どちらを選ぶか迷いやすいところ。
👉 楽天証券とSBI証券を比較!どっちが初心者向き? で違いを整理しておきましょう。
iDeCoを後から始めるのが理想
つみたてNISAで投資に慣れてから、余裕資金や節税メリットを活かしたいタイミングでiDeCoを追加するのがベストな流れです。
- 年収が高く、所得税・住民税の負担を軽減したい人
- 老後資金を強制的に積み立てたい人
- 既につみたてNISAで投資習慣がついている人
こうした条件に当てはまるなら、iDeCoを検討する価値は非常に高いです。
よくある質問と誤解
Q. つみたてNISAとiDeCoを同時に始めてもいいですか?
→ もちろん可能です。ただし、生活資金を圧迫しない範囲で行うことが大切です。
Q. iDeCoは60歳まで引き出せないけど、本当に大丈夫?
→ 老後資金として確実に積み立てたい人にはメリットです。ただし流動性がゼロなので、余剰資金で行うのが前提です。
Q. どちらか1つしか選べないなら?
→ 初心者であれば「つみたてNISA」を優先しましょう。柔軟性と使いやすさの面で勝っています。
まとめ:まずは「つみたてNISA」から始めよう

つみたてNISAとiDeCoは、どちらも税制優遇のある素晴らしい制度です。しかし初心者が迷ったら、まずは「いつでも引き出せる」つみたてNISAから始めるのが無難です。
そのうえで、資産形成の基盤が整ったらiDeCoを追加し、節税メリットを最大限活用していきましょう。
資産形成は「早く・長く・コツコツ」が成功のカギです。焦らず、自分に合ったペースで取り組んでいきましょう。
👉 次は「つみたてNISAおすすめ投信ランキングと選び方のコツ」や「SBI証券でつみたてNISAを始める手順」も参考にして、実際に投資をスタートしてみてください。
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