はじめに
「投資信託って何が良くて何が怖いの?」── 投資初心者がまず直面する問いです。
投資信託はプロに運用を任せられる便利な仕組みですが、仕組みや費用、リスクを知らないまま始めるとつまずきます。
ここでは初心者が本当に知っておくべきメリット・デメリットを、具体例と数字を交えてわかりやすく解説します。
投資信託とは簡単に言うと?
複数の投資家からお金を集め、専門の運用会社(ファンドマネージャー)が株や債券などにまとめて投資する金融商品です。
個別株を自分で選ばなくてよい点、少額から始められる点が最大のメリットです。
投資信託のメリット
少額から分散投資ができる(手軽さ)
投資信託は1,000円単位、あるいは月100円から買える商品もあります。
これにより、個人で多数の銘柄を買い集めることなく、1本で複数の国や企業に分散できます。分散はリスク低減の王道です。
プロに運用を任せられる(手間を減らす)
市場分析や銘柄入れ替え、リバランスを専門家が行うため、「投資の勉強に時間を割けない人」でも参加しやすいです。
特にインデックス型の投信は「市場平均に連動」する運用で、放置でよい点が初心者向きです。
自動積立で「ドルコスト平均法」を活用できる
毎月一定額を自動で買い付ける設定にすると、価格が下がった時に多く買い、上がった時は少なく買う「ドルコスト平均法」が働きます。結果として購入単価が平準化され、心理的にも安定します。
具体例(複利の威力)
たとえば毎月10,000円を年率4%で20年間積み立てると、複利で約3,667,746円になります(元本は2,400,000円)。年率5%なら約4,110,337円に。少額でも時間を味方にすると大きく育ちます。
税制面の優遇(NISA等と組み合わせられる)
つみたてNISAの非課税枠内で投信を買えば運用益が非課税になります。
通常は運用益に約20%の税金がかかりますが、NISAを使えばその分が丸ごと手元に残る点は大きな利点です。
👉こちらの記事も参考に→つみたてNISAとiDeCoどっちが先?【初心者の悩みを解決】
メリットまとめ
✔ 少額から始められる
✔ プロが運用してくれる
✔ 分散投資でリスク分散可能
✔ 税制面の優遇
👉「長期でどのくらい増えるのか具体的に知りたい方は、こちらの【つみたてNISA積立額シミュレーション】をご覧ください」
投資信託のデメリット
手数料がかかる
投資信託には、購入時の「販売手数料」や、運用中に差し引かれる「信託報酬」、さらに売却時に発生する「信託財産留保額」などが存在します。
これらの手数料は運用成果に影響を与えるため、できるだけコストの低い商品を選ぶことが重要です。
元本保証はない
投資信託は元本保証の商品ではありません。市場環境によっては資産が減少する可能性もあるため、「リスクを理解したうえで投資する」姿勢が求められます。
短期的な利益には向かない
投資信託は長期投資向けの商品であり、短期的な値上がり益を狙う投機には不向きです。
特に、株式型投資信託は市場の変動による価格変動が大きいため、短期売買にはリスクがあります。
デメリットまとめ
✘ 手数料がかかる
✘ 元本保証がない
✘ 短期利益には不向き
投資信託はこんな人におすすめ
投資信託は、以下のような人に特におすすめです。
- 投資を初めてみたいがリスクが不安な人
- 仕事が忙しく投資に時間をかけられない人
- 少額からコツコツ資産形成をしたい人
- 税制優遇制度を活用して効率的に投資したい人
特につみたてNISAを活用すれば、非課税で運用できるため投資初心者に最適です。具体的なおすすめ銘柄については、以下の記事でも詳しく解説しています。
【2025年版】つみたてNISAおすすめ投信ランキングと選び方のコツ
投資信託の手数料の種類と選び方の注意点【初心者必見】

手数料の種類と選び方での注意点(詳しく)
- 信託報酬(年率):最も重要。インデックス型は低く、アクティブ型は高め。長期では最重要項目です。
- 購入時手数料:購入時に一度だけかかる費用。今はゼロ(ノーロード)が主流。
- 信託財産留保額:解約時にかかる場合がある(数%未満が多い)。
- 信託報酬の内訳:運用管理費用と販売会社の取り分など。公開目論見書で必ず確認。
実務アドバイス
信託報酬が0.1%差であっても長期では数十万円の差につながる。**選ぶ基準は「低コスト・実績・純資産(資金量)」**の順で検討するのが鉄則です。
商品選びの具体的なチェックリスト
- 信託報酬(年0.1%台が理想)
- 純資産残高(大きいほど安定)
- 運用期間(長く実績あるか)
- ベンチマーク(何に連動するか)
- 分配方針(分配型or再投資型)
- 為替ヘッジの有無(外貨建て商品)
例:迷ったら「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」か「S&P500連動の低コストファンド」を1本選んで自動積立する方法が初心者に最も簡単で堅実です。
リスク管理と運用のコツ(初心者向け)
- 余剰資金で始める:生活防衛資金(生活費3〜6か月分)は別で確保。
- 自動積立を使う:心理的判断を排除できる。
- 分散:地域・資産クラスで分散する:株式100%よりは株式+債券のバランスも検討。
- 一定期間(最低5〜10年)は放置する覚悟を持つ:短期売買は損しやすい。
- 定期チェックは年1回で十分:頻繁な見直しは逆効果。
よくある誤解に答える
Q.「投資信託はお金が減るときは誰かが悪いの?」
A. 市場変動が主因です。運用ミスが原因のことも稀にありますが、多くは市場全体の動きです。長期投資の視点が重要。
Q.「アクティブファンドの方が儲かるのでは?」
A. 一部は成功しますが、手数料が高く長期でインデックスに勝ち続けることは難しい。初心者はまず低コストのインデックスを推奨します。
すぐ使える実践チェックリスト(初月の行動)
- 生活防衛資金を確保(目安:月収×3〜6)
- 証券口座を1つ(SBI/楽天/マネックス等)開設する
- 投資方針を決める(例:全世界1本 or S&P500中心)
- 月額を決める(無理のない金額、例:1,000〜10,000円)
- 自動積立を設定し、半年〜1年は放置する
最後に

投資信託は「少額でプロに任せ、分散できる」非常に強力なツールです。一方で元本保証がなく、手数料や為替などのコスト・リスクを理解して選ばないと不利になります。
初心者は低コストのインデックス投信を1本(または複数で分散)選び、自動積立で長期保有するのが成功確率を高める最短ルートです。
まずは今日1つだけ行動しましょう。証券口座の開設、あるいは毎月1,000円の自動積立設定。小さな一歩が、将来の大きな違いを作ります。
これから投資を始める方は、つみたてNISAのおすすめ投信ランキングも参考にしながら、自分に合った投資信託を選んでみてください。